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Special Interview― 特別インタビュー 企業の皆様にお聞きしました ―

Interview

食、医、ヘルスサイエンスの3領域で価値を創造し、世界のCSV先進企業を目指す。 専門性と多様性を両軸で高め、成長できる職場です。

キリンホールディングス株式会社

人財戦略部 人財開発担当 採用チームリーダー 今井 美緒 様

取材日:2025年7月

<Company Profile>

キリンホールディングス株式会社(キリングループ)の歴史は、『キリンビール』を開発した「ジャパン・ブルワリー・カンパニー(JBC)」の事業を引き継いで1907(明治40)年に設立された、麒麟麦酒株式会社に端を発します。戦後の高度成長期時代にはビール需要が驚異的な伸びを示し、日本を代表するビールメーカーとして国内はもとより、アジア・オセアニアを中心に事業を展開し、成長を続けてきました。1982(昭和57)年には、医療領域の研究に着手。現在は、これまでの主要な事業であった「食」と「医」に加え、「ヘルスサイエンス」の領域を将来の柱とすべく、社会課題の解決に取り組む世界のCSV先進企業となることを目指しています。

ビール事業で培った技術力で「食」と「医」をつなぎ、
「ヘルスサイエンス」を新たな核に

「キリンといえばビール」のイメージを持つ方が多いと思うのですが、最近では免疫機能の維持をサポートする商品・サービスの露出が増え、医領域やヘルスサイエンス領域に注力している背景についてのご質問を受ける機会が増えました。

弊社では2019(令和元)年から長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」を掲げており、具体的には、自社の経済的価値を生み出すとともに、社会的課題の解決を両立させて取り組むCSVの考え方を経営の根幹に置いています。CSVを推進することで、自社だけでなく社会とともに持続的に成長していくことが私たちの目指すものとなっています。
また、弊社にとって「医」の領域は、それほど新しいものではありません。ビール醸造には、必ず発酵のプロセスがあります。ここで培った技術と知見を核に長年、バイオテクノロジーを活かした医領域での研究開発に取り組んできました。

心を満たすウエルビーイングとしての「食」と病気を治す「医」があり、この二つを繋げば「未病領域」にさらなるお客様への価値創造につながる発展の可能性があるとの考えから、「ヘルスサイエンス」を新たな中核とした事業を展開しています。とはいえ、単なる多角化を目指しているわけではありません。根底にあるのは、ビールや飲料事業を中心に培ってきた技術力を、お客様に価値提供したいという想いです。

「食」と「ヘルスサイエンス」、「医」と「ヘルスサイエンス」というように2本の柱を掲げている企業様は多くありますが、「食」「医」「ヘルスサイエンス」、3つのポートフォリオを展開している企業は世界的にも多くないでしょう。そのポートフォリオのユニークさがキリンの強みであると考えています。


グローバル面では、アジア・オセアニアを中心とした海外展開を強化しています。2年前にはオーストラリアでサプリメントをはじめとした食品事業を展開している「Blackmores(ブラックモアズ)」社を子会社化しました。加えてファンケル社もグループに新たに加わったことからも、今後は食領域にとどまらず、アジア・パシフィックにおいてヘルスサイエンスの分野でいかに発展できるかが鍵であり、アジア最大級のヘルスサイエンスカンパニーとなることを目指しています。

お客様の日常の喜びで社会的課題を解決するCSVへの取り組みとは?

キリングループが掲げるCSVパーパスには、4つの柱があります。

第一に「酒類事業を営むキリングループとしての責任」、「健康」、「コミュニティ」、「環境」です。

「酒類事業を営むキリングループとしての責任」は、酒類事業を祖業とする企業としての社会的責任であり、アルコールの有害摂取の根絶、次世代へのお酒文化の継承を通じた取り組みが挙げられます。

「健康」における多くのお客様に認知いただいているのが「プラズマ乳酸菌」を使った飲料やサプリメントに代表される免疫機能を高める機能性素材ですが、他にも微弱な電気で塩味や旨みを引き出す食器型デバイスの「エレキソルトスプーン」。塩分を控えた料理も美味しく食べられるため、食事療法が必要な方にご好評いただいており、食品にとどまらないQOLの向上への貢献にも価値創出しています。

「コミュニティ」では、人と人・社会とのつながりを創出することを目指しており、例えば「晴れ風」ブランドの売り上げの一部で、桜や花火といった日本の季節の風物詩の保全・継承活動を支援する「晴れ風ACTION」もその一つに挙げられます。お客様が普段の暮らしの中で、弊社の商品を飲んでくださった時に感じる“うれしい”“楽しい”という気持ちが、“ちょっと誇らしい”という小さな社会貢献に繋がると考えています。

「環境」では、環境負荷の低減を目指し、容器包装や気候変動への対応に取り組んでいます。

 

キリンがこのようなCSVを経営の根幹に置くきっかけになったのが、2011年3月に発生した東日本大震災です。東北地方を中心に甚大な被害をもたらした災害により、キリン仙台工場も被災しました。それまで、企業が社会に対して果たす役割として、利益の一部を寄付する、いわばサポート事業が中心でした。しかし震災復興のためふと立ち止まったとき、「はたしてこれが持続的な活動なのか?」という疑問が沸き上がりました。利益を社会に還元することは企業の使命です。一方で、商品開発やブランドの事業活動そのものが社会課題を解決し、経済的価値と社会的価値を同時に実現するCSVの方が企業精神と合致し持続的であるとの考えにたどり着きました。今後もキリンならではの価値観と、私たちだからこそできる取り組みで、CSVの取組を続けていきたいと考えています。

専門性と多様性の掛け算で成長し、“人財で勝つ会社”を目指す

キリンの基本理念に、人間の無限の可能性を信じる「人間性の尊重」があります。
つまり「会社と従業員は”イコールパートナー”」という考えです。企業において会社と社員は主従の関係ではなく、個々が自律し会社という存在を活用しながら成長し活躍することで、“人財で勝つ会社”になることを目指しています。


“人財で勝つ会社”になるためのキーワードが、「専門性」と「多様性」の2つです。

「専門性」については、個人が自らの強みや軸を持ち、それを深めていく力と位置づけています。キャリア採用の方はもちろん、新卒であっても自らが高め、成長していきたい強みを早期で伸ばし続けることが大切だと思っており、そこには単なるスキルや知識の蓄積にとどまらず、「自分らしさ」や「価値観」に根ざしたキャリア形成を意味します。社会や価値観が大きく変化していくなか、早い時期から自律し、専門性を高めていくことが、これからますます重要になっていくことでしょう。
「多様性」には、2つの意味合いがあります。キリンの強みは、「食」「医」「ヘルスサイエンス」の3つのユニークなポートフォリオをもっていること。つまりビールのマーケターもできれば、サプリメントなどヘルスサイエンス領域のマーケッターもできる。本来であれば転職で叶えられるキャリアアップが、グループ内の事業を活用しながら実現できることは、他社にはない大きな魅力ではないでしょうか。
もう一つが、性別、国籍、年齢・働き方など属性の多様性が豊富であること。多彩な考えをもつ人が集まって議論することでそれらの違いが新たな力を生みだし、結果組織としての質を高めていくと考えています。このようにキリンでは、「専門性」と「多様性」を掛け合わせることで、個人と組織の成長を加速できるという考えから、多様な環境で専門性を磨くことで応用力が高まり、異なる視点が交差することでイノベーションが生まれることを推進しています。


誰もが活躍できる職場づくりの推進として、たとえば、育児や介護、治療と仕事の両立を支援する「なりキリン研修」(実際には子供がいない社員がママやパパになりきり、業務上での突発事態への対応を要する働き方を体験するもの)や、遠隔地勤務制度など、個々の事情に応じた柔軟な制度が整備されています。
私自身も2度の産休・育休を経験して、今の仕事を続けておりますが、女性の育休取得はもちろん、男性育休も9割近い取得状況で、直近でも自身のメンバーである男性社員も育休を取得しているなど、珍しくない状況となっています。

キリンが求める“魅力的な人財”とは?

人や社会に向けて新しい価値を提供し続けるために常に自身をアップデートさせ、成長・挑戦し続けられる方と一緒に働きたいと思っています。そのためには、これまでのキャリアを踏まえ、自身がキリンという会社で何を成し遂げたいか、ぜひ夢や野望を自分の言葉で語っていただきたいです。面接や面談などの場でそうした候補者の方にお会いできると、私自身もうれしくなり、ワクワクします。
キリンは伝統と革新が共存する企業でありビール業界では老舗ですが、ヘルスサイエンス領域に代表されるように新規事業にチャレンジし、若手・ベテラン関係なく挑戦できる環境が揃っています。大きな企業の安定感より、「自分がこの会社を変えていく」、「キリンという場所を活用して成長・進化していくんだ」という気概を持ち、飛び込んできてもらいたいと感じています。一方で、スタンドプレーでやり遂げるのではなく、仲間と共にチームで成果を上げることも大事な資質と考えています。周りを尊重しつつも切磋琢磨し、リーダーシップを発揮できる人に入ってきていただきたいです。
キリンは今、事業展開とともにグローバルな面においても新たな挑戦をしています。そんなキリンの変革期に、多様なバックグラウンドを活かした先駆の精神で挑戦し、社会やお客様に向けて新たな価値を創出することに情熱を注げる方を、私たちは心から歓迎します。


アズールさんは人財に関する圧倒的な情報量をお持ちです。候補者と1対1の面談を重ねるなかで得られた情報だけでなく、その人の価値観や思考までも深く理解していらっしゃると感じています。さらに弊社に対する理解が深く、人財を必要としているポジションの戦略的な部分まで考えてくださり、「こんなにぴったりはまるとは!」と思うくらい適切な人財をご紹介していただいています。絶大な信頼を寄せていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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Postscript― 取材後記 ―

JR中野駅からほど近い本社へお邪魔しました。 キリン社の歴史や取り組みはもちろん、採用チームリーダーだからこその「求める人財象」のお話はまさに熱意そのもので、メモをする手が止まらずあっという間に時間が過ぎました。今井様の「(採用面接で)よく聞かれるのですが、私自身入社後に感じたギャップは無いんです」という言葉がとても印象的でした。従業員の声から生まれた取り組みもあり、「会社と従業員は“イコールパートナー”」を感じると共に、従業員の皆さまの「キリン愛」も感じることが出来ました。老舗企業でありながら常に新たな挑戦を続けるキリン。是非皆さまもチャレンジしてください!今井様、ありがとうございました。

(アズール・村上)